喫茶カフェステラと死神の蝶” の感想

まちトドン Advent Calendar 2023 への寄稿記事になります。今日はまちトドンと全く関連が無いテーマです。

この記事は「喫茶カフェステラと死神の蝶」の明月栞那あきづきかんな ルートと四季しきナツメルートの感想を記したものになります。ネタバレを含みます。ご注意ください。

あくまでも細かいストーリーの紹介は書かずに私の感想だけを記していくので、既にプレイ済みの方に対して私の揺さぶられた感情を共有出来たら良いなと思います。

目次
  1. はじめに
  2. あらすじ
  3. 明月栞那ルートの感想
    1. 強く印象に残っているシーン
    2. 気持ちがついていけなかったところ
  4. 四季ナツメルートの感想
  5. 最後に

はじめに

私自身は今までにノベルゲームをプレイしたことがありませんでした。あるとき YouTube のオススメに出てきた本作の切り抜き動画をきっかけに気になっていました。ノベルゲームに対しては「ただセリフを読んでいくだけのゲームなんて......」と懐疑的な印象を持っていたのですが、体験版をプレイしてみたら思いのほか物語の世界観に没入してしまって、製品版の購入に至りました。

今回が初めてのノベルゲームなので「他作品よりこういう点が良いよね」みたいな感想は云えません。また、栞那ルートとナツメルートのみ読了済みで、他のルートはまだプレイしていません。そのため私が把握できていない登場人物の設定などがあるかもしれません。解釈違いなどがあるかもしれませんがご了承ください。

あらすじ

ゲームのシナリオを完結にまとめるような文才を私は持ち合わせていないので、公式のあらすじを引用します。

主人公、 高嶺昂晴 たかみねこうせい は何気ない学生生活を送っていた。
だがある日、不慮の事故で命を落としてしまう。
そこで予期せぬことが起きた。
死んだはずだった高嶺昂晴が、目を覚ましたのだ。

しかもそれは――死ぬ当日の朝だった。
わけがわからないまま、もう一度、同じ一日を過ごす。
予知夢やデジャブのようなものではなく、一日の流れが全く同じ。
あまりの自体に恐怖を覚えながらも、死んでしまった、事故の場所を訪れた。
そして事故の瞬間――
彼は“死神”と“人語を喋る猫”と出会った。

そして告げれられる言葉。

「死はまだ回避できていません」

高嶺昂晴は死ぬ運命から逃れるために、死神の仕事を手伝うことになる。
その方法とは、何故か喫茶カフェをオープンさせることであった。

世界を巻き戻し、“死”という現実を乗り越えた、高嶺昂晴。
だが引き寄せる“死”の因果からは逃れられない。
これは、己の運命と世界に挑みつづける1人の男の恋の物語――なのかもしれない?

補足すると、この物語は 9 月 28 日に始まり、12 月中旬まで共通ルート、その後のクリスマスや年末年始、バレンタインは個別ルートになっています。

明月栞那ルートの感想

共通ルートの中で出てきた栞那さんの意味ありげな台詞が気になり、このルートを最初に選びました。登場人物の考えていることや感じていること、それに伴う行動などが緻密に練り上げられたストーリーだったと思います。

私自身お別れ系の話に弱いので、栞那ルートは泣きのツボにハマってしまいました。ここまで泣いたのは久しぶりだったので、心が軽くなった気がします。

強く印象に残っているシーン

クリスマスデートの終盤、主人公が夕暮れの観覧車の中でこれから告白しようというところで、栞那さんは「死神である自分は新しく生まれ変わるために近いうちに消える」ということを告げ、主人公の告白をいなしてしまいます。

自分が消えるという事実をポジティブな言葉だけで伝えようとする栞那さんの心遣い、それでも哀しそうな栞那さんの表情......夕日に照らされたゴンドラの中のこのシーンは強く私の心に突き刺さってきました。

消えてしまうのは悲しいことですが、新しく生まれ変われるのは喜ぶべきことであるので、主人公が感じたであろう、基本的には悲しみが大きいのにそれを前面に押し出せないもどかしさに共感しながら読み進めていました。このシーンを境に一気に物語に引き込まれていったように思います。

先を読み進めていくと、栞那さんが消えることになったのは、栞那さんが主人公の為に取った行動が直接的な原因であると明かされます。それを予め知っていながら消えることを選んだ栞那さんの強さ、それを一切後悔していない栞那さんの潔さ、などがこのシーンには詰まっていると思います。初見で感動し、見返したときに改めて感動させられるこのシーンが最も強く印象に残りました。見返しただけでも、また涙が出てきそうになります。

気持ちがついていけなかったところ

しばらくシリアスなシーンが続き、泣きながら読み進めていました。特にマントにくるまれて別れを告げられるシーンは涙なしに見れません! ただ、途中から話の流れが急展開して本番シーンへと入っていきます。エロゲであることを忘れて純粋にラブストーリーを楽しんでいたので、全く感情が追いつきませんでした。画面の前で涙が止まっていなかった私は、感情の迷子になっていたように思います。

年齢制限付きのゲームなので本番シーンがあるのは当然ですが、栞那ルートに関しては必要ないのではないかと思ってしまいました。美しいラブストーリーのまま終わりにしてほしかった......

四季ナツメルートの感想

このルートの感想は「四季ナツメがヤバい!」これに尽きると思います。

キュンキュンしながら読み進めていたことは間違いありませんが、栞那ルートほどの深い感動は無かったように感じます。ストーリーではなく、ヒロインのキャラクターを楽しむルートだったのかな。エロゲ初プレイなので、その辺りの塩梅がよく分かりません。

メイド服のナツメに踏みつけられるシーンは、かなりゾクゾクしました。あれはヤバかった。

最後に

プレイ前は懐疑的なイメージを持っていたのに、すっかりハマってしまいました。食わず嫌いは損だと実感しました。次はどのノベルゲームをやろうかな?